*不燃ゴミ*

今日は不燃ゴミの日。
新学期が始まったせいか、やたらおもちゃが目につく。
かつての子供の友がゴミと一緒に出されている風景はあまり嬉しいものではない。

目を伏せるようにして足早に立ち去ろうとした我愛羅。
が。 そいつはむこうから彼の目に飛び込んで来た。

クマのぬいぐるみ。

我愛羅に選択権はなかった。
無言で背中のひょうたんならぬ袋にすばやく放り込み、足早にその場を立ち去る。
誰にも見られなかっただろうな、風影とあろう者がゴミ漁りと思われては困る。

こういう日に限って、なぜかやたらとクマのぬいぐるみとばかり目が合う。
私も助けて下さい、ボクも助けて、お願い、お願い‥‥‥

風影もへったくれもない、こうなったら救難隊員として任務を遂行するだけ。
屋敷につくころにはサンタクロースと見まごうほどの袋を背中に背負うはめになった。

悲鳴を上げたのは上忍カンクロウ。
「我愛羅、お前、またかよ? 頼むから不燃ゴミの日には外へ出るな‥‥」
半ば懇願ともとれるような口調で特大福袋を押し頂く。
察するにこの日にはいつも彼に災難が降り掛かるらしい。

「黙って任務をこなしてもらおう、Sランクだ、いいな」
つまり、口外は絶対に許されない、ということだ。

この日一日、カンクロウはぬいぐるみ用洗剤とブラシを手に、 屋敷の中庭で洗濯男に変化する。
そして、ぬいぐるみがすっかり乾いた翌日には、 フリマでクマばかりを商う不審な男と化すのであった。

 

この話をもとに素敵なお話をヨーコさんが考えて下さいました。
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