「な‥‥んだって、大蛇丸は今更こ‥‥んな、ベタなく‥‥ん練をさせるんだ?!」
腹筋運動を繰り返しながら憤懣やるかたないといった表情のサスケ。
「まあ、あの方なりのご思慮があってのことでしょう」
あいかわらずのポーカーフェイス、カブトはカウント係に専念している。
「カブト、サスケ君に新しいメニューよ」
大蛇丸がそういってカブトにメモを渡したのはついこないだ。
そこには「腹筋運動一日200回」とある。
「‥‥彼に今更こんな訓練が必要なんですか?」
つい聞いてしまったカブト、しまった、という顔をするが
大蛇丸は別に気にも止めていない。
「いいのよ、もっとウエストを締めてもらわなきゃね」
「は?」
「いずれサスケ君の体はあたしのものになるのよ。
腹筋がしっかり6つに割れてなきゃ
思うような衣装も着れないじゃないの」
あの、サイ、とかいう小僧のせいだな、と大蛇丸と付き合いの長いカブトにはすぐわかった。
まったく、大蛇丸様のミーハーにも困ったものだ、いい加減年相応に落ち着いてもらわないと。
「おい!カブト、まだなのか?」
やや息のあがったサスケが怒鳴る。
「そうですね、あと35回ほど残ってますね」
全く、大蛇丸様もごろごろばかりしてないで
自分の今の体も少しは鍛えたらいいものを。
しかし、体が浮くのを押さえるという名目で、サスケとしては乗られると一番痛い足首に
どっかと座り込んでいるのにはカブトの私情も入っている。