ホワイトデーからブラックホールへ

「誰だ、もう一週間ほど冷蔵庫に置きっぱなしだぞ!」

せっかちなテマリが叫ぶ。

冷蔵庫の棚には小さなキャンディの包みとクッキーの包み。

戸口に弟の顔が2つ並ぶ。

「・・・それは、置きっぱなしなのではなく・・・」

我愛羅が言いかけた言葉を遮り、

「お前らか!さっさと食っちまえよ、場所を塞いで困る!
日持ちするからって、菓子だって鮮度が高い方がいいにきまってるだろ」

「いや、だから、それはさ・・・」

今度はカンクロウの出ばなをくじいて、

「まったく、男のくせに四の五のうるさいな!
アタシが任務から戻るまでに始末しとけよ、いいな!」

捨て台詞を残し、テマリはその場からかき消えてしまった。

「・・・・いらぬことをしたようだな、何がホワイトデーだ」

「あいつ靴箱のラブレターに絶対気がつかねえタイプだな」

日頃お世話になっている姉に、とホワイトデーに弟たちが用意したプレゼントは
こうして日の目を見る事なく、彼らの胃袋の闇へと消え去った。

 

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