ドアについた蹴り跡、しかも複数。
「‥‥」
俺を誰だと思ってんだ、うちは一族を一夜にして全滅させた男だぞ。
  不快感もあらわにぞうきん片手にゴシゴシドアを拭くイタチ。
「どうしたんすか、あら〜、ずいぶんやられましたね」
  脳天気オレンジ仮面がそこへ通りかかる。
  「‥‥トビ、お前何か知ってるだろう」
  「新入りに暁の難しい人間関係はわかんないっすよ、ハハハ」
  足早にその場を立ち去る。
しかしもう一人の新人は空気を読まないと言うか、どうでもいいというか、平気で声をかけてくる。
  「落ちねえだろ、なんせ腐葉土ってのは粘るからなァ、ゲハハハハハ」
  「飛段、お前か!!」
  「ああ、でも俺だけじゃねえぜ、かわいこちゃんも蹴ってたなァ、確か」
  「ったく、どういうつもりだ?!」
  「どうもこうも、一人で抜け駆けするからだろ!
  暁ってのはチームワークがなってねえって、さんざん聞いてたけどよォ」
  「‥‥それをお前の口から聞けるとはな」
  「うっせえな、九尾のクソガキやら木の葉のクソ上忍なんかとコラボるからだ」
  「‥‥?何の話だ?」
  「ほら、帰って来たぜ、色男に聞けよ。
  どっちにしろ、俺はあんなクソやわらけ〜お子様の食い物なんか願い下げだけどよォ」
  飛段は言い残すと自室へ消えた。
入れ替わりで廊下の端にデイダラ登場。
  「おい、デイダラ、どういうつもりだ」
  「あ〜?別に、ちょっとした足の運動だよ、うん」
  「俺の部屋のドアでやる必要があるのか?自分のドアでやれ!」
  「フン、この裏切り者」
  「何の話だ?!」
  「木の葉の抜け忍はしょせん木の葉だってことだな、うん」
  「だから‥‥」
  「疾風伝の冒頭を飾ってるのはオイラだぜ、お前なんかかけらもねえだろ?!
  ちょっと古株だからっていばるんじゃねえよ、うん!」
バタン!
  取り残されるイタチ。
「廊下で何を騒いでるんです?任務に備えて休憩してるものの事も考えたらどうです?」
  鬼鮫がドアを開けて顔を覗かせる。
  「ああ、鬼鮫、いいところに‥‥」
  「フン、私も噛みごたえのない食べ物は嫌いですね」
バタン!
ハンバーガーを食さないイタチは知らなかった。
  自分もおまけになっているとは。
疾風伝ハッ○ーセット、3/16解禁。
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