*手袋*

カンクロウといえば指なし手袋。
愛用者になってもう何年も経つ。
勢い所有する手袋の数も半端ではない。
自室には同じような、どころか全く同じ手袋がごろごろ。

にもかかわらず、ある日の任務でカンクロウは手袋なしだった。

「どうしたんだ、今日は手袋なしか?」
テマリがいぶかしげに問う。
「いいじゃん、たまにはなしでも」

「・・・手袋はお前の忍具だろう。
忍具を忘れてどうする」
渋い顔の(いつだってそうだが)弟、我愛羅。
「猿も木から落ちるっていうじゃん」
「カンクロウは猿か」
「・・・もののたとえだっつ〜の」

「ほう、どうした、カンクロウ。
イメチェンか、まあ頭巾もとったしな」
バキまでがからかう。

「そんなんじゃねえって!!」
「つぎは何をとるんだ、クマドリか?」
「もう、うるっせえな!」

ついに頭に来たカンクロウは墓穴を掘った。

「右だけ2つ持ってきちまったんじゃん」


帰り道全員からさんざんバカにされたカンクロウは、
その後必ず手袋は対でおいておくように学習しましたとさ。

 

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