＊齟齬＊

「ぼくはKYだから」
そういうと彼はいつものように微笑んだ。

面と向かって言われてしまうとこちらとしては反応に困る。

「そ、そんなことないよ、ね、ねえナルト？」
「あ、ああ、そうだってばよ」
「いや、ほんとの事だから」

張り付いたような微笑がこころなしか陰りを帯びている。
感情がないなんて人間である以上ありえない。

「みんなそう言ってるみたいだし」

なんてことだ、彼はひそかに傷ついていたに違いない。

「ねえ、サイ・・・」

サクラの慰めの言葉を最後まで聞かず彼は言った。

「かっこいい奴の略なんでしょ」

「「てめえは真性のKYだ（ってばよ）！」」

「どうも」

前途多難なヤマト班ではある。

＊閉じてお戻り下さい＊