「我愛羅はSだろ?」
「何言ってんだよ、どう考えてもMじゃん!」
閉ざされた扉の前で固まる我愛羅。
ナニ?オレがSだと?
そうじゃないならMだと?
「天下の風影だぜ、Sってことはないじゃん?」
「それとこれと関係ないだろ、
今の我愛羅がMなわけない!」
‥‥俺はノーマルだ!SだのMだの、やめてくれ!!
Sはどう考えてもテマリだろうが、
でなきゃあんな泣き虫バンビが好みなわけがない!
カンクロウだってそうだ、自分をグルグル巻にして傀儡に運ばせるなんて
Mじゃないなら何なんだ!
思わず部屋に踏み込もうとした瞬間、2人が出て来て鉢合わせ。
「なんだ、我愛羅、こんなとこにいたのか」
「ちょうどいい、探す手間が省けたじゃん、な?」
リボン付きの包みが差し出される。
「今日はお前の誕生日だろ」
「プレゼントじゃん、結構迷ったんだぜ」
中にはヒョウタンのバックプリント付きの黒Tシャツ。
ご丁寧に砂のラメつきである。
「サイズがさ〜、わかんなくてよ〜」
「結局フリーサイズにしたのさ、合うといいけど」
「‥‥」
後日。
「もらいっぱなしは俺の性にあわん」
困惑顔の姉と兄を睥睨する我愛羅。
「まあ、それはいいんだけど」
「ただな、サイズがさ‥‥」
「なんだ」
「いくらピタピタがはやりでも、アタシにSはきついよ」
「俺にもなんでMなんだよ、入るわけねえじゃん」
「気にするな、他意は有るがな」
「「は?」」
仏頂面のTシャツ我愛羅にそれ以上聞く気もおこらず、
腑に落ちないな、全くじゃん、と執務室をあとにした2人だった。
やっぱり、Sですね、風影様?!
*閉じてお戻り下さい*