*洗濯*

秋晴れのさわやかな青空の下。
さわやかさとは最も縁遠いペア、飛段と角都はお互いのマントの洗濯に忙しい。
庭先にたらいと洗濯板を持ち出して、お決まりのウンチングスタイル。

「ったく、てめーが洗濯代ケチるからこんなことになるんだぜ、角都!」
当然ご機嫌斜めの飛段。
「フン、バカ言うな、これはツーマンセルの絆を強める作業の一環だろ」
いくら節約しているかと考える角都。
「キン、コン、カネ。
なんせクリーニング代が浮くからな!大もうけだぜ!」
飛段のいかにもこのケチ、という声。
「お前こそ毎回同じ場所に穴開けやがって!
誰が繕うと思ってんだ。おれはお針子ではない!」
その穴から角都のネガポジ反転の目がぎろりと睨む。

「大体、おめーのマントはくせーんだよ。
もちっとマシな場所に換金所ってねーのかよ」
わざと顔をいがめてクンクンとマントのにおいを嗅ぐ飛段。
そんないやがらせに引く角都ではない。
「そういうお前のマントこそ汗臭い。下着ぐらい着ろ、たしなみのない」
「おめーみたいに顔まで着込んでたら暑苦しくってたまんねーよ、この幽霊男め」
「ショッカー呪印のきさまにそんなことを言われる筋合いはない、露出洗濯板」

せっけんの泡だけでなく口からも泡が飛ぶ。
本当にこれで親睦が深まるのかは大いに謎だが、
とりあえずマントは臭くなくなるだろう。
めでたし、めでたし?!

 

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