*桜吹雪*

満開の桜は桜吹雪へと変わる。
春のあかしともいえる性急さ。
何のためらいもなく花を散らす潔さ。

美しい。

サイは突き動かされるように筆をとった。

 

「ちょっとナルト、見て!サイからよ!」
「あいつ絵だけはマジうまいってばよ!」

単独の任務に出ているサイからヤマト班へ届いた巻物。
そこにはあふれんばかりに満開の桜が描かれていた。

「サイも心から何かを美しいと思えるようになった、ということかな」
組んだ片手をあごに添えるいつものポーズでじっと絵に見入るヤマト隊長。

「・・・・・そうですね」
「次に会えるのが楽しみだってばよ!」

 

サイの絵は美しいだけではない。

動く。

桜は次の瞬間桜吹雪となり巻物から飛び出した。
舞い踊る花びらにその場にいた3人は言葉を失う。

 

サイの絵は動くだけではない。

消える。

に変わってから。

真っ白になった巻物の前にはダルメシアンと化した3忍がたたずんでいた。

 

*閉じてお戻り下さい*