『理容店Dもしくは職業訓練?』
    
    「‥‥‥‥‥お客さん、髪、薄いねえ。
    これじゃアレンジのしようがないよ、うん。
    よそ行った方がいいんじゃないの、カツラとか植毛の方面にさ」
    やる気ゼロのデイダラは自分の長い髪をいじくりながらサソリを見る。
    「‥‥お前、それじゃ客が怒るだろうが、まじめに職業訓練しろ!
    今は人気絶頂でも年食った時の事を考えるべきだぞ」
    
  客に見立てたヒルコをはさんでの指導役サソリと美容師役デイダラの会話。
  
    「究極の若作りしてる旦那に言われたくないなあ、うん。
    だいたい、そのヒルコのヘアスタイルはいじりようがないよ。
    でもそっちの若かりし日の旦那になら、なにかイケてるスタイル考えつくかも」
    うれしそうにサソリの頭に手を伸ばすデイダラ。
    「触るな、おれはこれがいいんだ」
    その手をばしっと叩き、サソリが焦り気味に言う。
    「いっそアフロヘアにイメチェンしたらどうかな、結構似合うと思うよ、うん!」
    ヘアアイロン片手にサソリの方へ乗り出してやる気満々だ。
    「冗談じゃない、自分の髪でやれ!
    そんだけ長い髪なら、三つ編みだろうがドレッドヘアだろうが自由自在だろ」
    サソリはあせりからか目を見開き、
    あとずさりながら手をチャクラ発信モードに構える。
    
    「いくら芸術は爆発だといっても、ヘアスタイルの爆発はいただけないよ。
    オイラにはこの爽やかストレートポニーテールがいちばんなのさ、うん」
    頭を振って豊かな髪を自慢する。
    「なにがポニーテールだ、ただのちょんまげだろうが」
    ヘッという顔で見下すサソリ。
    「若い顔しててもやっぱりおやじだな『ちょんまげ』って完全な死語だぜ、うん!」
    
    二人の不毛な訓練ぶりを覗き見たゼツがぼそっとつぶやく。
    「ばかばかしい。なんでこの職業を奴に選んだんだろうな」
    「クイッパグレナイカラダロウ。
    ナルトニ、ハゲキャラハトウジョウシナイカラ。
    アアミエテ、サソリハコウハイオモイダカラナ」
    
  忍びの心得追加事項:忍び足るもの、髪の毛が多くなければならない‥‥のか? 
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