*パパはサンタ*

「パパ‥‥何やってるの?」
我愛羅は娘の枕元で固まった。
さすが愛娘である、彼の気配を感じるとは。

「‥‥ちょっと、心配になったから見回りに来ただけだ」
「どうして?」

間。

「サンタ‥‥に‥‥化けた偽物が……その、
お前をさらいにくるかもしれんと‥‥思ってな」
「やだなあ、パパは心配性なんだから。
それよりその袋なあに」
「‥‥砂だ」
「ひょうたんは?」
「‥‥カンクロウに貸した」
「え〜、カンクロウおじさんに?
壊されても知らないよ〜。
こないだだってあたしの大事にしてるめざまし、
直してやるとか言って壊しちゃったもん」
「ひょうたんは壊れんから安心しろ」
即答。
「オートガードがあるから?」
「まあ、そういうことだ。
さあ、もう遅いから寝ろ。
‥‥いつまでも起きているとサンタが来んぞ」
「そうね、おやすみなさ〜い」
「‥‥おやすみ」

一旦出直そうと部屋から出ようとした我愛羅の背中に声がかかる。
「パパ〜、その赤いお帽子、とっても似合うよ〜」

頭のサンタ帽をきれいに忘れていた風影だった。

 

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