*似て非なるもの*
「なんだ、この皿は」
コンビニから帰ったカンクロウの買い物袋の中身をチェックした我愛羅が言う。
「ほら、点数集めたらもらえるやつじゃん」
「・・・だから毎朝パンばかりだったのか」
「まあまあ、ただで貰えるんだから」
「・・・どうせなら白いのを貰ってこい」
絵皿はムーミンのものだった。
「だって、お前がいるからさ」
「・・・・どこに」
「ほら、チビのミー」
皿を見つめる我愛羅をニヤニヤと見るカンクロウ。
「・・・おれにはこんなちょんまげはないぞ」
不本意そうな我愛羅、もちろんチビの一言が利いたに違いない。
「だから似てるって言ってるだけじゃん」
しばし皿を見つめていた我愛羅がにやりとする。
「・・・フン、それならお前もいるぞ」
えっ、というカンクロウに我愛羅が指差したのはムーミンだった。
「コイツのどこがオレだよ!」
「黒装束から衣装をはぎとってみろ。耳もそのまんまだし、あの衣装なら
これぐらいメタボで丁度いい。どことなくクロアリ風味なのも芸がある」
「・・・・・冗談じゃねえよ」
「『カンクロウのヌード絵皿』だ。
ヤフオクにでもかけるか」
カンクロウが問題の皿をひったくってその足でコンビニに取って返し、
まだ引き換え期間が来ていない白い皿とむりやり交換したのはお約束だ。
*閉じてお戻り下さい*