もういい加減終わっただろうと部屋へいくと、まだやっている。
  「まだやってんのか‥‥
  にらめっこがなんの役に立つんだよ‥‥」
  呆れたカンクロウがぶつぶつ言うと即座に反応あり。
  (実は二人とも退屈していたのかもしれない)
「バカにするな。にらめっこは威嚇の基本、そして、威嚇は戦闘の基本だ」
  「‥‥‥むだな闘いを避けるのがポリシーなんだろう。
  威嚇で済めばあらそう必要もない」
  ハア、という顔のカンクロウ。
  
  反応が薄いのが気に入らなかったようで2人はさらに続ける。
  もちろん表情はぴくりとも変えないまま。
  「脅かすのも基本だな」
  「‥‥まあな」
  ぐいっと目玉を取り出すサソリ。
  ぎょえっとなるカンクロウを尻目に自分も砂の目玉を取り出す我愛羅。
  「フン、こざかしい。ならば、意表をつくのもそうだな」
  言うが早いか、サソリはいきなりバラバラになってしまった。
  「‥‥だから、なんだ」
  メリメリと音を立ててひび割れて行く我愛羅。
  
  だんだん、カンクロウのげんなり度があがり、目つきが冷たくなって来た。
  サソリが続ける。
  「カモフラージュ」
  「擬態と言え」
  二人はバラバラな状態から戻る時にお互いに変化してしまった。
  サソリは我愛羅に、我愛羅はサソリに。
  「‥‥おれはもっと男前だぞ」
  不満げな我愛羅。
  「おれはもっと萌えキャラだ、へたくそめ」
  年を食ってるが故に自分のセールスポイントをよくご存知だ。
  「‥‥親父が何を言う、ショタキャラといえ」
  「眉なし不健康アイシャドーがふざけるな」
  「‥‥ふん、びっくり人形喜劇が」
  「はっ、お砂遊びはお子様むけじゃないのか」
不毛な言葉の応酬にいい加減嫌気がさしたカンクロウが割って入る。
  「いい加減にやめろよ。
  ケンカすんなら男らしく取っ組み合いして一発できめたらどうなんだ。
  なんだよ、うだうだとしつこいじゃん」
  と、急にタッグを組む二人。
  「‥‥手を出さないのがインテリの証拠だ」
  「紳士的な闘いをしてるんだ、何が悪い」
あいつらは仲がいいのか悪いのか俺には理解できねえじゃん、
つぶやいて後ろ手にくさいものにフタをしめたカンクロウだった。
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