「なんで俺の相方がトビなんだ、それこそ人選ミスだな。
  サソリの旦那の後じゃギャップがありすぎて調子狂うぜ、うん」
  「まあそう言わないで下さいよ、デイダラ先輩」
  「先輩先輩言うなっての」
  「そんな〜、先輩はやっぱり凄いから先輩って言ってるだけじゃないっすか」
  「フン、おだてやがって。
  だいたいお前の得意技ってのはなんなんだよ?
  今日こそはちゃんと教えてもらおうか」
  「え〜、こないだ3尾の片付けを譲ったからって、
  そう怒んないでもらいたいですねえ」
  「うるせえ、早く言わねえとぶっ飛ばすぞ」
  「はいはい、わかりましたよ」
トビは懐からごそごそと何やら小さいものを取り出した。
  ふたを開けると一本ずつ指を押し付けて行く。
  「‥‥何やってんだよ?」
「影分身の術!」
デイダラの目の前に広げられたトビの指先には
  印肉で鮮やかなオレンジに染められた指紋くっきりの指先が10個。
「‥‥お前、俺をなめてんのか?!」
  「え〜、受けるかと思ったのに。
  デイダラ先輩って案外堅物なんだなあ」
  「てめえ‥‥」
  「やだな、冗談ですよ、でもこうやって回すとクラクラ来ませんか〜」
  手を広げたままデイダラの顔の前でぐるぐる回すトビ。
  「‥‥オイラはトンボじゃねえっ」
  「しょうがない、んじゃ、これを」
「芸術は爆発だ!」
聞いたようなセリフを吐くと見覚えのある印を結ぶトビ。
  まさか俺の術を!と驚きつつも万が一に備え、飛び退くデイダラ。
パパパパパパパパパパ〜ン!
「‥‥‥」
  トビのマントの下からじゃらじゃらとこぼれ落ちるのはポップコーン。
「わ〜、先輩、人身売買は法律違反ですよお〜」
  「暁にそんなもん、関係あるか!」
トビの首根っこを持って換金所へ引きずって行こうとするデイダラだった。
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