*謎の新班員*


謎めいているといえばサイ。

味方と思えば実は敵で、鮮やかに寝返りまた姿をくらます。

しかし彼の得体の知れなさはそれだけではない。

大事な本を戦闘中とはいえあっさり置き忘れたり、ビンゴブックを置き去りにしたり。

サイは忍者のくせに意外に忘れっぽいようだ。

それともこれも、自分を演出するためのポーズにすぎないのだろうか。

 

「今回は何事もなかったからよかったようなものの、

重要文書を忘れるようなミスは命に関わる可能性大だぞ。

サイ、今後は十分気をつけたまえ!!」

ヤマト隊長がめずらしくきつい口調で説教する。

「わかりました」

目を伏せて返事をするサイ。

「頼んだぞ、第7班の一員としてな!」

サイの肩をヤマト隊長が激励すべく軽く叩く。

顔を上げたサイが爽やかな笑顔で一言。

「あなた、誰でしたっけ」

 

彼の健忘癖の真偽は暗部の使命同様なぞに包まれている。

 

*閉じてお戻り下さい*