『幻術マッサージサロン』
え、あれ、オレ、なにしてんの?
  
  一瞬わけがわからなかったが、ああ、そうか、今巷でブームのマッサージサロンとかいうのに来てたんだった。
  ナルトとサクラからの思わぬプレゼント、肩たたき券ならぬマッサージ券。
  嬉しい反面、俺もそんなに疲れて見えるのかと少々ショックでもあったが、
  かわいい教え子の好意を無にすることもなかろうと、ここへ足を運んだと言う訳だ。
  
  マッサージなんて、と内心馬鹿にしてたが、これがなかなかどうして、気持ちいい。
  
  「はい、楽にして下さいね」
  言われるままにうつぶせになって、あちこち押されてるうちにどうやら眠ってしまったらしい。
  上忍ともあろうものがだらしない‥‥俺も年かな。
  
  「だめですよ、力んじゃ。マッサージできませんよ。
お客さんやせてるくせにすごい筋肉だから、はい、力抜いて!」
  はあ、すみませんね。
  
  「あの〜、口のマスクと眼帯とっていただけませんか、頭のマッサージしにくいんですけど」
  
  悪いね、これはとれないよ。
  
  「そうですか、仕方ないですね、まあ今は花粉症のシーズンですからね、
  そういう方もけっこういらっしゃいますし」
  
  ちょっとまってくれ、オレは花粉症なんかじゃないんだけど。
  
  「別に恥ずかしいことでもなんでもないですよ〜、気になさらることないですよ」
  
  いや、だから、違うんだけどなあ。
  
  「ほら、今日はなぜかそんなお客さんが多くて」
  
  え、そうなの?
  
  周りを見回せば、ええっ、そんなばかな、俺と同じ格好したやつばかりじゃないかっ?!
  俺のトレードマークともいうべき口布とずらした額当てをして
  目を血走らせた人間ばかりがこのサロンを占領している、あり得ない、何かがおかしい!
  
  「だから、言ってるじゃないですか、今日は花粉がすごいんですよお〜〜〜〜」
  
  うわあ〜っ、なんだ、このマッサージ師はっ、こいつまで口布とずれた額当てをしているう〜〜〜っ
  
  「サクラちゃん、やりすぎじゃないの、カカシ先生の目がすわってるってばよ」
  「いいのよ、今までさんざんやられてたんだから、このチャンスに幻術返しよ」
  
  先生は選べません、弟子はもっと選べません、すくなくとも木の葉では。
  
カカシ先生のキャラをこわしてすいません‥‥でも強いサクラちゃんが好きなんだってばよ! 
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