*KINDERGARDEN暁*
「にしても、ここはどこなんだろうな?うん?」
時空忍術でうまく逃げ仰せたデイダラを
  通学・通園途中の子供たちが物珍しそうに見る。
  たいていの子供はにらみ返されて足早に通り過ぎていく。
しかし。
  そんなことで動じるはずもない人種がいた。
  幼稚園児、成分表:好奇心100%、遠慮0%。
  じきにわらわらとデイダラの周りに影分身のごとく群がる。
「おじちゃん」
  「・・・・オイラに言ってんのか?!」
  返事はない、ということはそういうことだという返事だ。
  「大きいのにまだ幼稚園なの」
  「は?」
  「だってほら、スモックきてる」
スモック、と言われれば、そう見えなくもないのがつらい暁コート。
「何ぬかしやがる、これは暁というこわ〜い団体のユニフォームだぜ、うん!」
  「ふ〜ん、暁幼稚園なんだ」
  「かわった帽子だね〜」
  「鈴ついてるよ、落とすから?」
  「違うって言ってんだろ!」
あっさりスルーで会話が続く。
「それにそのちょんまげ」
  「それって小さい子の結び方だよね〜」
  「ホントホント」
  「バカいうなっての、だいたい・・・」
  「それに決定打はそのカバン」
  「は?」
  「幼稚園バッグじゃん」
  「お弁当2個も持ってんだ、よくばり〜」
  「大人をからかうのもたいがいにしろよ、うん!でないと・・・」
  「あ〜っ、粘土だ!しかもバッグに直入れ!」
  「い〜けないんだ、いけないんだ!」
  「幼稚園で使うもの勝手に持ち出すなんて、い〜けないんだ〜」
  「てめえら・・・・・」
そこへ現れたお迎えのメンバー。
  あいにくサソリは素顔のまま3代目をかついでやってきた。
「何遊んでんだ、デイダラ、とっとと行くぞ」
  「わ〜」「わ〜」「わ〜」
  「何なんだ、このガキどもは」
  「ガキはあんたじゃん」
  「そ〜だよ、こ〜んな大きな人形持って、あたしたちよりよっぽどガキ」
  「暁幼稚園ってチョ〜ヘン」
幼稚園児たちは好き放題言うと背を向けて立ち去る。
「オイ、なんだったんだよ、アイツら」
  「・・・・知るもんか、うん」
「今時粘土に、人形だってさ〜」
  「古い、古い、今はDSでWi-Fi」
  「妙な大人につきあってらんないよね」
その大人達は幼稚園ルックにアナログな武器で武装してるんですが。
*閉じてお戻り下さい*