サソリは本誌で出番が無いのでヒマにまかせて暁専従のお医者さん(ごっこ)。
白衣がなかなか似合っている。
もっとも衣装が似合うから医者をしているだけでなく、人体には詳しいからの指名である。
「‥‥なんで俺だけ残すんだ、サソリ」
本日は眼の健康診断だったようで、眼に弱点を抱えるイタチがひっかかった。
「イタチ、お前また写輪眼使っただろ。
すぐ眼にでるんだから、ちょっとはつつしめ」
「‥‥そんなに視力が落ちてるのか」
「ああ、この検査結果を見てみろ」
「‥‥何も書いてないじゃないか」
「本当に見えんのか?
お前、相当ひどいぞ」
イタチはしげしげと検査結果の紙を見るが、いくら見てもそこには何も書いていない。
「‥‥おい、サソリ、これはどう見ても白紙‥‥」
「お前の眼も交換する時期だな、ほらこの新開発の写輪眼仕様の義眼を見ろ」
「‥‥俺は人傀儡じゃないと何度言ったら分るんだ!」
「ああ、そうだったな、じゃあ、このコンタクトはどうだ。
ちゃんと写輪眼の文様入りだぞ、機能は本物と同じってわけにはいかんがな」
「‥‥当たり前だ、そんなおもちゃと俺の眼を混同してもらっちゃ困る。
コレの代替え品ができたら特許ものだ、フン」
「まあそうだな。
それにそしたらオレが今頃こんなしょぼいNGOにいるわけないな」
「全く‥‥バカも休み休み言え!
要するにこの眼を狙ってるんだろうが、誰がおまえの傀儡なんかにやるもんか‥‥」
「傀儡相手に写輪眼はきかねえぜ、ムダなことすんなよ」
ドアの外。
「またかよ〜、サソリの旦那も暇にあかせて絡むのはやめてほしいなあ、うん」
「大丈夫ですかね、イタチさん。
あの方も冷静そうに見えるけど、こないだノルマ取り逃がして、ちょっときてますからねえ」
そこへ通りかかったのは眼の検診から外された新人トビ。
のんきに爆弾発言をかます。
「お二人してこんなとこで井戸端会議ですか?
暁って暇なんすね〜っ」
「‥‥‥明日は反射神経の検査だそうだぜ、うん」
「コイン投げで検査するそうですよ、あなた、お得意でしょう」
「‥‥‥」
トビがゼツに頼みこんでコイントスの練習に明け暮れたものの、次の日は休診だったそうだ。
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