*かえうた*

ぽ~にょぽにょぽにょ魚の子♪

台所から聞こえて来る声の主はカンクロウ。

「お~い、メシ!」
「はいよ~」
「・・・今行く」

呼ばれて姉と弟が食卓につく。
本日のメニューは秋の味覚サンマらしい。

「・・・お前が当番の日に魚とはな」
「ホント、いつもハンバーグかカレーなのにさ」
エプロン姿のカンクロウが言う。
「この曲歌ってたらなんか魚が食いたくなっちまって」
「ああ、ぽにょね」
「・・・なんだ、それは」
「知らねえのかよ?アニソンだよ、今ヒット中の」
「・・・フン、聞かせろ」

顔を見合わせるカンクロウとテマリ。
風影が世事に疎くてはどうしようもない。

「ぽ~にょぽにょぽにょ、魚の子~♪・・・」

二人して風影様にフルコーラス歌ってやる。

「・・・なるほどな」
「さあ、さめないうちに食うじゃん」
「いっただきます♪」

数日後。

「あれ、今日は我愛羅が夕飯作るのか、めずらしい」
「らしいな、そろそろ台所に行くか」

姉兄揃って台所へ行くと。
何やら魚を焼くにおいとボソボソ歌声がする。
注意深く耳をそばだてて聞くと。

「ぽ~にょぽにょぽにょ 焼き魚♪
青い海からやってきた
ぽ~にょぽにょぽにょ 焼けて来た
しょうゆもいいけど、おろしがいい♪」

俺たちはこんな歌は教えてねえ、と思いつつ、
我愛羅の成長に(?)笑いをこらえる姉と兄だった。

 

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