「すまんが、茶を持って来てくれんか」
  我愛羅が年末までに処理しないといけない書類に埋もれながら、部屋に入って来たバキに言う。
  「わかりました」
  返事は軽く、お茶の濃さも軽く。
  バキの持って来た茶は我愛羅好みとは言いがたかった。
  「‥‥すまん」
  とりあえず礼は言う風影。
「あ、テマリ、悪いが茶をくれ」
  続いて入って来たテマリにも同じ事を頼む。
  「え?ああ、いいよ」
  あっさり引き受けてくれたが、彼女が持って来たのはコーヒー。
  「‥‥すまんな」
  姉のくせに弟の好みも把握してないのか。
  と思いつつそんなことをいったら書類の山がカマイタチの餌食になりかねないと判断。
  退室をまってマグカップを押しやる。
「我愛羅ごくろうさんだな、まあ一服しろよ」
  カンクロウが湯のみと一緒に入って来た。
  ほう、珍しい事もあるものだと思いつつ、礼を言って口をつける。
  ぶっ
  「カンクロウ、なんでココアが湯のみに入ってるんだ」
  「ああ、なんか出払っててなかったからさ、いいじゃん、中身がよければ」
  よければ、な。
  「悪いがおれの好みじゃない」
  「ああ、マシュマロでも入れるか」
  「‥‥遠慮しとく」
「リーダーとは孤独なものだな‥‥」
  カンクロウが出て行ったあと、一人寂しくポットでインスタント緑茶を入れる我愛羅だった。
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