*鳥獣戯画の弱点*

サイは水墨画が得意だ。

墨と紙さえあれば複雑な動物だろうが風景画だろうがあっという間。
しかも忍法『鳥獣戯画』で描いた動物を動かし忍具とする。
口寄せとは違う特殊な術ゆえ、どんな空想上の珍獣だろうが自由自在。
難点を言わせてもらえば、攻撃されて消える時に墨が飛び散る事か。
まあ通常の任務であればそんなことは些細な問題だ。

しかしサイといえば空気を読めない事でも有名でもある。
不適切な場面でこの忍術をうっかり発動されたらどうするか。
例えば警備を言いつかったパーティー会場でこんな技を使われたら最後、
木の葉は山のようなクリーニング代の請求で火の車になりかねない。
なにせ墨汁である、いったん服についたら落とすのに偉い目にあう。

チェック機能が必要だ、使用すべき時には応援、だめな時には押さえ込む。
さて、応援はともかく、サイが動物を動かす前に動けないようにするには。
ナルトで同じ事をさせられた腕を見込まれたヤマト隊長。
さんざん頭を悩ませた末、これなら、という秘密兵器を発見した。

朱墨である。

二人とも、この手の任務から外された事は言うまでもない。

 

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